専門治療
診療方針
当科は複数の専門医という充実した体制のもと、さらなる増員を検討中です。
肺癌の手術数は年間おおよそ200例で、これは宮城県内で行われる手術のおよそ4分の1にあたります。そのほとんどを胸腔鏡手術で行っており、いわゆる“小さい傷”の胸腔鏡補助下肺葉切除ではなく、肺葉切除からリンパ節郭清まで全て完全胸腔鏡下に行っています。さらに傷は小さく低侵襲であり、通常は5日程度で退院が可能です。
映像装置にハイビジョンを導入するなど、機器の更新も積極的に行っています。原発性肺癌が疑われながら内科で診断がつかない場合は、外科での胸腔鏡検査を行います。全身麻酔下に胸腔鏡検査を行い、術中迅速病理検査で診断を確定し、引き続き必要な手術を行います。
当科が担当するのは、手術適応のある肺癌症例です。現在は胸部CTでしか見つからない早期肺癌に対しても、積極的に完全胸腔鏡下に区域切除を行っています。なお他の悪性腫瘍からの肺への転移も手術適応になることがあります。この場合は胸腔鏡下の手術のよい適応になります。
今なお日本の呼吸器外科を代表する病院との交流を盛んにして、常に手術技術の進歩に努めています。
自然気胸に代表される嚢胞性肺疾患は、突然の呼吸困難や胸痛で発見されることが多く、レントゲンで診断がつきます。胸部CTで原因検索をし、病変(ブラ)があればその病変を切除しています。
縦隔腫瘍は胸腺腫が多く、中には悪性の腫瘍や、周りの臓器を圧迫したり腫瘍内で出血したりするものもあり、原則として手術になります。周りの臓器に対する影響の無い胸腺腫や良性の縦隔腫瘍に対しては、胸腔鏡下に腫瘍を摘出します。
気道疾患については、気管切除再建などの外科治療のほか、気道狭窄に対しステントを用いた治療も行っています。
当科に限らず当院の外科では、情報公開の方針を徹底し、手術の様子は全て公開しております。希望される患者さんのご家族に対して、テレビモニターを通して手術中の様子をご覧頂いています。
先端医療への取り組み
早期肺癌に対しての胸腔鏡下肺葉切除の導入
いわゆる“小さい傷”の胸腔鏡下肺葉切除ではなく、肺葉切除からリンパ節郭清まで全て鏡視下で行います。この技術は、東京虎ノ門呼吸器外科との提携で行っております。
静脈処理
左上葉気管支のうち舌区支を残し、上区支を処理します。
肺動脈処理
左肺動脈の枝のA3,A1+2を自動縫合器で処理します
気管支(上区支)処理
左上葉気管支のうち舌区支を残し、上区支を処理します。
区域間形成
左上葉のうち舌区と上区との区域間を形成しています。
創の大きさ
創は3ヶ所(3ポートアクセス法)で、約2~3cmの傷から、切除した肺を摘出します。
医療設備
VATS(完全胸腔鏡下手術)
近年、呼吸器手術においても低侵襲を積極的に求めるようになり、全国でも3/4の手術に、傷の小さいと考えられる胸腔鏡手術が施行されるようになってきました。しかし、残念ながらその実、比較的大きな傷を広げて行なっていたり、手術後の疼痛が少なかったり回復が早かったりする点で大きなメリットとなるはずの“低侵襲”に疑問をもつ方法になってしまっている施設もあるのが実情です。
当院では、東北でもっともはじめに“完全”胸腔鏡手術を導入した施設で、傷も3箇所の最小限な大きさなので、全ての手技が画面に映し出されたモニターを見て行われます。
この方法では、傷が小さいため、疼痛が少なく回復が早く、早期退院・社会復帰が可能です。意外に思われますが、この方法は大きな傷に比べて安全性が高いと考えられます。胸腔鏡を接写しながらモニターに写すことは、拡大した視野で操作をすることになります。また手術道具が患者さんの体で固定されるのでブレることがありません。つまり、安全で確実な手術となり、さらに術後の回復も早い、という点で非常に良い方法であると考えています。
医療者側もチームとして十分なトレーニングを積んで初めて達成できることですので、完全胸腔鏡手術の老舗、として今後もこの高度医療をしっかり提供して参ります。
左右のモニターを確認しながら手術を行う。正面のモニターは患者さんのご家族に中継で手術の様子を送出する為のモニター。
患者さんの紹介について
通常勤務時間帯は各科外来、休日・夜間等は当直師長が対応致します。
通常のご紹介の場合
外来診療におけるスケジュールは下記の通りとなっております。受診される場合は紹介状(診療情報提供書)と保険証をご持参の上、病院本館1階医事課新患窓口にお越しください。
診察受付時間 8:30~11:00 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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