内科と外科のバランスが取れた病院
心臓血管外科では、心臓の病気や大動脈および末梢血管の病気に対して手術治療を行います。主に狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、などの心臓に関わる疾患や大動脈解離、大動脈瘤などの大動脈疾患などが治療の対象となります。
計7名の心臓血管外科チームで、24時間365日の診療に当たっています。
この心臓の病気に対して、カテーテルのような内科的な治療が良いのか、それとも手術が良いのか、どちらが患者さんに合っているか、医学的にはだいたい決まっています。
ですので、どちらかしか行っていない病院や、どちらかに偏っている病院はあまりお勧めはしません。内科と外科が常に一緒に治療にあたるような、バランスの良い病院を選んでほしいと思います。
心臓の病気や大動脈に対しての手術治療を行います
心臓の病気では、例えば心筋梗塞や狭心症などは、一番病名でなじみがあるのではないかと思います。この病気には冠動脈バイパス手術を行います。また心臓には弁というものがあり、弁膜症という言葉もだいぶ一般的になってきたのではないかと思います。この病気は徐々に進行し、息切れや動悸をおこすようになるので、自分の弁を修復する形成術、人工弁に取り替える置換手術を行います。
あとは大動脈に関して、緊急性のある大動脈解離という疾患があります。比較的新しい、認知度の高くない病気です。高血圧が原因となり、内側にある内膜に裂け目ができ、その外側の中膜の中に血液が入り込んで長軸方向に大動脈が裂けることを大動脈解離といいます。大動脈解離が起こると、緊急性を伴いますので、大動脈を人工血管に取り替える緊急手術が必要となります。
予後の回復を一番に重視しています
当科の患者さんには意外と若い方も多くおります。例えば弁膜症に関して言えば大きく大動脈弁と僧帽弁がありますが、僧帽弁の方は結構若い方が多いです。会社勤めをされている30〜40代の世代で手術になる方も多くいらっしゃいます。
初期症状は動悸や息切れなどで気付くことが多いです。最近ですと検診で発見されて、形成術と言って自分の弁で治せるような状態でしたら、比較的早期に、症状が出る前に手術をすることも多くなっています。 そういった若い方には、非常に小さい4−5cmの傷のみで行える低侵襲な手術というのが、世界でも日本でもだいぶ増えてきています。
患者さんにとって一番良い方法を模索
治療の低侵襲化が進んでいる昨今、当センターでもカテーテルインターベンションによる治療(TAVI、マイトラクリップ)が増加していますが、2008年から外科でも右小開胸による低侵襲治療を積極的に行っています。 紹介してくださる先生方には、外科の手術か、内科的治療かどうかを悩まれる方もいらっしゃると思いますが、当院は内科と外科が一体化して連携していますので、とにかくまずは内科のほうに紹介してもらえればと思います。
またいったん紹介となると必ず手術になってしまうのか、と思われる先生方に対しても、当院では患者さんに1番良い時期に一番よい方法で治療をしますので、そういった心配はしないでください。 そして専門的治療をおえた後も、必要であれば踏み込んで使ってもらいたいお薬の説明やアドバイスをさせていただいていますし、フォローもしっかり行いますので安心して気兼ねなくご紹介して下さい。
科の切れ目のない診療体制
循環器内科と心臓血管外科の連携について、常に仕事をする場所も一緒ですし、仕事の導線も重なっていて、たとへば、手術場の隣には循環器科の外来があります。
ことさらおおげさにチームというより、常に自然と一緒に治療にあたっていて、それは急患でも同じです。循環器の救急へ紹介してもらえればいいのですが、外科であれ内科であれ、必要な人員が常にいますので、特に緊急の時は迷わないでください。
患者さんの恩恵のために、教育にも力を入れています
就職希望者に向けては、当院は忙しいですが、実はオフの日は多く、忙しいのは好きだけどきっちりしたオフが欲しい、という人には当院をおすすめします。
現在、外科専門医という制度は過渡期だと思いますが、私たちの理想は28歳から35歳までの若手の先生に来てもらえること。1、2年ほど外科で勉強していた方など、是非当院で一緒に頑張ってほしいと思います1)火事場の馬鹿力がある人 2)自分にはツキがあると思っている人 必ず患者さんの役にたてます、大歓迎です。 仙台は住みやすい街だと思っています。地域のサイズ感や人との距離感もとても心地良く、今後はもっと東京とは違った良さが出てくる街ではないかなと思います。今後も当院で患者さん、地域のかかりつけの先生方に信頼していただけるような努力を重ねたいと思っています。
経歴
- 北海道出身
- 1980年 札幌南高等学校 卒業
- 1986年 東北大学 卒業、岩手県立大船渡病院一般外科研修
- 1989年 東北大学心臓血管外科
- 1998年 ウィスコンシン州立大学心臓外科
- 2002年 青森県立中央病院
- 2011年 仙台厚生病院
以前のように2ヶ月も休まずに職場復帰が出来ており、必要なら肉体労働の方でも1ヶ月以内にもとの仕事にもどることが期待できます。