PET-CT検査の流れ
PET/CT検査とは
PET(positron emission tomography;陽電子放出断層画像)とは、放射能を含む薬剤を体内に投与して、薬剤から放出される放射線をとらえて画像化する、核医学検査法の一つです。PET/CT装置は、PETと、体の正確な形態画像を得意とするコンピューター断層撮影法(CT)のふたつの装置を組み合わせて一体化した画像診断装置です。
アミロイドPET/CT検査とは
アミロイド PET/CT 検査は、抗アミロイド抗体医薬品による治療の可否を判断するため、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)もしくは認知症と考えられるかどうかを診断するために有効な検査です。
認知症とは、様々な原因により脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、記憶や判断力といった「認知機能」が低下し、社会生活に使用をきたした状態のことです。アルツハイマー型認知症は本邦で認知症の67.6%を占めると報告されており、認知症の最も主要な原因疾患です。また、軽度認知障害は正常と認知症の中間の状態とされ、年間10~30%が認知症に移行するとされます。アルツハイマー型認知症になると、物忘れなどの記憶障害や判断力の低下だけでなく、段取りを立てて物事行うことができなくなる、時間や場所、やがては人との関係がわからなくなる、など様々な症状が現れ、生活上大きな支障が生じます。
アルツハイマー型認知症を引き起こす原因として、アミロイドβ蛋白という物質が重要と考えられています。何らかの原因により異常なアミロイドβ蛋白が脳内に蓄積して、やがて脳の神経細胞が死滅し、アルツハイマー型認知症を引き起こすという考えです。この考え方から、脳内に蓄積したアミロイドβ蛋白を除去するという治療法が長年研究されてきましたが、抗アミロイド抗体医薬品であるレカネマブ(商品名レケンビ)が開発され、2023年に本邦において保険診療の下で用いることができるようになりました。
この治療法は脳内にアミロイドβが沈着していることを確認できていることが前提となります。当施設でのアミロイド PET/CT 検査は、フルテメタモル(18F)(商品名ビザミル)という薬剤を投与してPET-CT検査を行い、抗アミロイド抗体医薬品による治療の可否を判断するため、アミロイドβ蛋白が脳内に蓄積しているかどうかを調べます。
この検査は、厚生労働省の定める「レカネマブ(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドライン」に準拠した施設である医療機関からの御紹介によってのみ保険診療として行います。
アミロイドPET/CT検査の流れ
所要時間は約3時間半
アミロイドPET/CT検査の注意事項
アミロイドPET/CT検査の方は検査前の食事や服薬制限はありません。
検査室内の室温は22℃程度です。必要な方はあたたかい服装等ご用意ください。